たまに骨のことなど徒然草・・・

興味のない方は是非スルーで・・・

鎖骨骨折でお困りでここにたどり着いた方にはご参考になればと思います。
(だんな)ちゃんは鎖骨骨折のため、
骨折部分を固定する「クラビクルバンド」というものを装着しています。
これは折れた鎖骨がぐらつかないように胸を張った状態に固定するので、
「24時間羽交い締め」状態になります。

ふつうに暮らしていて、羽交い締めにされる状況なんて生涯あるかないかなレアケースだと思いますが、
この「松の廊下・浅野内匠頭」状態が約1か月以上は続きます。
寝る・起きるは一大イベント。
痛みや違和感で眠れなかったりうなされたり、
眠っても寝返りが打てず、寝ぼけて伸び〜なんてもってのほかです。
せき、くしゃみ、ゲップ、あくびは激痛が走るし、笑うのも痛いので、爆笑トーク、お笑い番組は原則禁止です。
そんな骨折、打撲傷などの痛みはもちろんですが、
さらにこの不自然な羽交い締めから二次災害的な症状が様々発生します。
腕は上げられないので、肩周りの筋力があっという間に低下して、
ベルトを外すと自分の腕が石のように重く感じます。
肩甲骨や脇腹、首の後ろがゴリゴリに凝ってきます。
脇の下をベルトで締め付けているため血流やリンパの流れが滞って、
指の先までぱんぱんにむくんで痛みや痺れが出ます。
ベルトが当たるので、背中・肩周り・腕の裏・脇の下など痒くなり、
しかも丁寧にケアしないとかぶれてきます。
腕はほとんど上がらないし、自分の肩より内側に入りません。
利き手側の鎖骨骨折なので、
食事、歯磨き、ひげ剃り、ドライヤーなど全て左手で。
やってみるとわかるのですが、片手ですべての動作をというのが地味にツラい。
そして時間がかかります。
そして時間がかかります。
そしてこの「肩と腕が内側に入らない」というのが驚くほど不便なんです!
食べ物やコップを口元に運ぶ、麺類など汁がたれないように口元を近づける、
両手を合わせて手を洗う、手に溜めた水を顔に付けて顔を洗う、
キーボードを打つ、正面に本を持って読む、手帳にメモする、
こういった普段何気無くしていることができません。
肩や首をすくめるという動きができないので、服も前開きのものが基本です。
Tシャツやトレーナーのようなかぶるタイプのものは2サイズ上のものでなければ着られません。
着方もコツがあって慣れるまで大変です。
見てはいませんが(笑)、トイレだって、いろいろ大変なはずです(これは想像・・・^_^;)
実は(およめ)も昨年、右鎖骨骨折を経験しました。
ベルトが取れた後も肩周りのリハビリに非常に苦労しました。
コンタクトを入れる、化粧をするなどができるようになるまで数ヶ月(´д` ;)。
テーブルを拭く、目の前のものを動かす、はその後で、
棚の上のものを取る、洗濯物を干す、と続き、
車の運転、電気を消しながら部屋を出る、コインパーキングのカードの出し入れ、はその先、
髪をまとめる・結う、エプロンを後ろ手で結ぶ、などはさらにその先、でした( ´ ▽ ` )ノ
ちなみに一年たった今でも骨はくっついていません。
話がそれました。対処策です。
凝りやむくみは痛くない範囲でさすってあげると少し落ち着きます。
肘から先は少し動かしたり手をグーパーすると予防もできます。
お風呂に入れるようになったら浮力で少し楽になったり血行が良くなってほぐれたりするようになります(ただし転倒に要注意です!)。
かゆみやかぶれは、同じようにさすってあげたり軟膏を塗ったり。
程度もありますがアイスノンなどを当てるのも効果がありました。
自分でもかけるように孫の手を購入。
食事はスプーン&フォークで対応、
空き箱をカスタマイズしてミニテーブルを作成し、食器と口元の距離を短くします。
お風呂は、OLさんみたいな柄の長いふわふわのボディーブラシを購入。
レビューなどを読んでいると怪我の治療中でと購入する方も多いようです。
大男が鼻歌を歌いながら、ピンクのボディーブラシで脇の下や膝の裏をゴシゴシする姿はかなり笑える(恐怖映像?)ので、
色は選んで下さいね。
肌着は介護用品でしたが前開きでボタン部分が丸いマジックテープになっているものを見つけて購入しました。
これは脱ぎ着が楽で本当に助かりました。
(1枚1000円程度でした)
寝起きの際は椅子の脚など握れるものがあると良いようですが、
背中や腰に手を添えて押したり支えたりしてあげるのが一番いいと思います。
(およめ)は打撲がひどく腹筋もやられて全く自力で起き上がれなかったので、
ふとんの下にこたつの天板を差し入れて板ごと押し上げて起こしてもらっていました。
即席リクライニングベッドです。
(だんな)ちゃんの場合は、骨折している方を上にして横向きに寝るように体を倒し→
そこから体を仰向けにする2段階方式で寝ています。
起きる時は逆の行程です。
いろいろと書きましたがあくまでわたしたちにマッチした対策法です。
家族に助けてもらえるというありがたい状況でした。
なので、ドクターや作業療法士さんとよくお話しして対策した上であくまで参考、
にしてくださればと思います。
最後にもうひとつ。
困ったことに、
鎖骨骨折患者はゆっくりながらもふつうに歩けることと、
固定ベルトの上からシャツを羽織ると見た目がふつうの人と変わらないことで、
「骨折患者と気づかれず、気遣ってもらえない」という事態に陥ることがあります(笑)!
病院でも早足の人がぶつかりそうにすり抜けて行ったり、実際ぶつかってきたり、
ゼンマイMAXでネズミ花火みたいに弾けてる元気な子どもは違う意味で目が離せなかったりσ(^_^;)!
できるだけ人混みは避けるとか、骨折した側を壁伝いに歩いて曲がり角には注意するとか、
予防策を講じるべきと思います。
あと、パソコンぐらいできるでしょ、とか、片手でも仕事はできるんじゃない、とか
吉良上野介ばりのお言葉を浴びせちゃうパンキーな方とかにも遭遇します。
幸いわたしたちの友人・知人・家族・職場の方は優しく温かく激励してくださる方ばかりですが、
見た目がわかりにくいことも、経験がなければ理解しづらいであろうことも事実、です。
こんな体験をされた方は凹まず
「鎖骨、骨折してるんです!」と主張していいと思います。
怪我を負わされた人はもちのろんろんですが、
自分のミスで怪我をした人もしたくてしたわけではないはずです。
辛い状況も説明して理解してもらって、治療に専念して一日も早い回復を目指すべきなのだと思います。
骨をくっつける薬はありません。
待つしかないというのは辛い一面もありますが、
食事や精神衛生、体重管理(笑)に気をつけ、治るぞ!治ったら◯◯しよう!と前向きな気持ちを持って、
時間の経過を待つことだと思います。
(およめ)